通学に片道2時間はかかった.これを何年も続けた.移動中に様々なことがおきた.
私が利用していた私鉄は利益追求のため乗車率100%を遥かに超えていた.また,電気代を節約するため,春から夏あるいは秋から冬といった季節の変わり目には決してエアコンをいれなかった.満員電車なので寒いのは我慢できた.一方,暑い車内は非常に不快であった.
初夏のある日,午前の通勤ラッシュの時間帯.乗車率200%に届くのではと思うほど超過積載.車内の不快指数は異常高値であった.たまりかねた中年〜高年のサラリーマン(おっさん)が,「もう我慢ならん」などと言いだした.走行中にもかかわらず,迷惑を顧みず人を書き分け,車掌室へ向かって行った.当然,エアコンは入らなかった.このようなことは珍しくなく,だいたい毎年起きた.
経験上,窓をあけると,エアコンがなくてもかなり快適に過ごせる.窓をあけると走行中は新鮮な空気がはいってくるからだ.しかし,窓をあけるとなぜかおっさんがキレる.また,女どもも文句をいう.文句しか言わない連中である.湿度100%,不快指数最高値の電車の窓があけられることはなかった.